テックファーム株式会社社長 筒井雄一朗 第3回「確立された経営哲学」(全4回) ハイパーネットでの倒産を経験後、筒井がテックファームの経営哲学として確立したものとは何だったのか。この経営哲学を礎に筒井はその10年後、今年の6月時点で社員182名、ITサービス開発・運営企業としてヘラクレスに堂々の上場を果たす。その経営哲学を筒井は穏やかに語った。 「経営には必ず余裕・余力を持つことです。」 それは一見するとあまりにもシンプルだと思うかもしれない。しかしその意味は思った以上に深く、そしてその深さは一つの組織の長として発せられることにより深みを増すといえる。 「余裕・余力とはお金に限ったことではありません。時間であり、人である。いってみれば経営に関わる全てのリソースをさしているのです。 経営をしていくさまざまなフェーズの中で、人、モノ、金、時間というリソースを分析していくと、何らかの余裕は見つけることができる。 それを元手にしてステップバイステップで新たな余裕を作り出すことが可能なのです。余裕があってこそ付加価値の高い、つまり価格競争に頼らないビジネスができ、万が一の方向転換もできる。 また成長の為のリスクをとることができ、常に楽しく仕事ができる環境が作れるのだと思っています。」 筒井がハイパーネットの倒産という経験から培ったこの考えが、起業から上場、そしてこれから更なる発展を目指すテックファームの意思決定にとって常に根底に流れ続けているのが非常に興味深い。 次回 最終回では「経営には必ず余裕・余力を持つ」という筒井の経営哲学がどのようにテックファーム成長の原動力になっていったのか検証してみたい。 |